食の世界に飛び込んだトップ・アスリートたち

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インタビュー 成長の実感。夢への道を突き進む先輩たち。
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食の世界に飛び込んだトップ・アスリートたち。東京代々木の服部栄養専門学校。今春、偶然にも3名の女性アスリートが入学してきました。その新入生は谷本歩実さん(柔道)、益春菜さん(モトクロス)、そして鈴木洋美さん(ビーチバレー)といずれもトップ・アスリートばかり。それぞれに道を極めた彼女たちが「食」の世界にかける想いは何なのか?スポーツとの接点は?校長の服部幸應氏を囲み、自由に熱く語り合っていただきました。
谷本歩実 柔道家。2004年アテネ、2008年北京オリンピック柔道女子63kg級金メダル獲得。 服部校長 谷本さんと益さんは栄養士科で、鈴木さんは調理師科ですね。ところでなぜ本校で学ぼうと?

鈴木 食べることが好きで、海外遠征で世界の料理にも興味を持つようになって。体を鍛える上でもどういう栄養素が必要で、その調理法は?ということを知識として身に付けたい、そして調理もできるようになりたいと思ったんです。

谷本 私はもともとアレルギー体質で食べられない食品もたくさんありました。柔道は大会前に10kg減量する場合もあって、母が食事作りに苦労してたんです。ですから私にとって食事は切っても切れない強いつながりのあるもの。そこでぜひ「食」のことを学んでみたいと思ったんです。周囲からは「一流のところへ行け」と口を揃えて言われたので、体験入学に参加し、迷わず入学を決めました。その体験入学では感動してしまって…この世界がとても新鮮で輝いて見えましたね。

服部校長 嬉しいですねえ。

鈴木 私もこの学校しか考えませんでした。体験入学に2回も来て(笑)すっかり気に入り、「ここだ!」と直感したんです。

 私も食に興味がありました。栄養士免許を持つ知人の作る料理がとても美味しくて、「私もやりたい」と思ったんです。それに将来のことも考えて、モトクロスと両立しながら資格がとれたらいいなと。

服部校長 ところで皆さんがスポーツを始められたきっかけは?

 私は物心ついた5歳からバイクに乗ってたんです。父が趣味でモトクロスをやっていたので。

益 春菜 モトクロスライダー。2008―2009年全日本モトクロス選手権レディースクラスチャンピオン。2009年全米モトクロス選手権スポット参戦。総合4位 服部校長 三輪車じゃないの?!(笑)

谷本 柔道はやはり「柔道っぽい子」がやるんですよね(笑)。保育園の時から「歩実はオリンピックに出るんだよ」って父に言われていて、意味もわからず「オリンピックに出る」と自分でも言い続けてきました。

鈴木 私の身長は185cmですが、生まれた時からずっと大きくて…そこでやはり「バレーボールだ」ということで(笑)。両親がやっていた影響で、気づいたらいつも近くにバレーボールがありました。

服部校長 なるほど。そうしてすでに道を極めた皆さんですが、現在目指している頂点は?

 私は8年間ずっと優勝できなかった全日本モトクロス選手権で、ついに08年09年と続けてチャンピオンになれました。昨年は念願の全米選手権でも総合4位に入賞。今後も全米にチャレンジして表彰台に乗りたいですね。学生になった今はコースに通えるのは週末だけ。練習量は減りましたが、逆に集中して頑張れていると思います。

服部校長  気力ですね!

鈴木 私はずっとオリンピックが目標でした。一番活躍できたのは99年のワールドカップでした。その後全日本には選出されましたが、怪我で結局オリンピックには行けなかったんです。でもビーチバレーに転向して07年には国内大会で優勝もできました。昨年、引退しましたので、今後は指導のお手伝いという形でバレーボールと触れ合っていこうかと。

鈴木 洋美 バレーボール元日本代表。世界選手権、ワールドカップに出場。2006年ビーチバレーに転向。昨年現役引退。 谷本 私はアテネと北京オリンピックで「オール一本勝ちで金メダル」という史上初の記録を持っています。このキリのいいところで辞めようかとも思いましたが(笑)、次の大会に向け「史上初の3連覇」の権利もあるわけなので、今は現役を続けつつコーチもやりながら、今後のことを考えているところです。

服部校長 ところで本校に実際に入学してみてどう感じましたか?

谷本 体育会系というのは考え方や行動が似てるんですが、この学校で違う世界の人たちと話すことができて、すごく自分の勉強にも成長にも繋がっていますね。

鈴木 私もバレーしか見て来なかったので、今どきの(笑)女子学生たちと知り合えて、色々な刺激をもらえるのを楽しんでいます。

 料理をやってわかったのは、下準備が大切だということ。たくさんの準備を重ねなければ本番にあたれない「レース」と同じなんだと。

服部校長 たしかに料理は材料を揃え段取りをし、捨てる時もエコに配慮…と面倒なことばかり。過去にそれをぼやいたら、父に「料理とは面倒くさいものなんだ!」と一喝されましたよ(笑)。そこで気付いたのは、面倒くさいものだと「覚悟」してしまえば意外に面倒くさくなくなっちゃうということなんですね。

谷本 スポーツも同じです。努力するのは当たり前。師匠の古賀稔彦さんもこう言いました。「一流選手は何に関しても妥協がない。今日は少し練習を減らそうなんて、決して思わないものだ」って。

服部幸應 1945年、東京生まれ。立教大学卒業。昭和大学医学部博士課程学位取得。現在は学校法人服部学園理事長、服部栄養専門学校校長。医学博士、健康大使。日本食の海外普及、食育など日本料理界において様々な要職を兼務している。 服部校長 では皆さんもぜひ妥協のない調理師や栄養士に!(笑)とにかく何事も興味を持ち、生きがいや使命感を感じることが大事ですね。ここで学んだことを皆さんは将来どのように活かそうと?

鈴木 人と接することが好きなので、将来的にはお店を持って、同時に料理も教えたりしたいですね。育ち盛りの子供や、未来のトップアスリートの体作りの為にも食育指導をしていきたいというのもあります。

 私は子どもが好きなので、将来は保育園の栄養士になりたい。その時はモトクロスは趣味でできたら、と思います。

谷本 「食」の知識を身につけて、それを今後の指導の場で伝えていきたい。柔道は人間教育から始まったものなので、それと食育を結んで発信することをテーマに広めていければと思っています。

服部校長 何だか皆頼もしくて嬉しくなっちゃったね。食育はとても大事なこと。これは皆さんが培ったものや生き方を通して教えられるものなんです。卒業後は色々な場面で子どもたちと出会うでしょうが「食」の大切さや食卓での母親の役割など、ぜひ若いお母さんたちにも伝えていってください。「食育をきちんとやれば、きっと良い子に育っていきますよ」と。

3 人  頑張ります!
雑誌「私の時間」より
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