卒業生の声 中尾 太一さん

Graduate's Voice

高校時代のアルバイト経験からフードビジネスの道へ。
関わるすべての人が幸せになる店を作りたい。

株式会社 PLEIN(代表取締役社長)
中尾 太一さん

調理ハイテクニカル経営学科卒業(2012年)

中尾 太一さん

料理人を目指したきっかけはいつ頃、何がきっかけでしたか?

実は今まで一度も「料理人」を目指したことはないんですよ(笑)。やってみたかったのは、自分でビジネスをやること。その業界として興味を持ったのが「食」の世界だったということです。
そう思ったきっかけは、高校時代に経験したマクドナルドでのアルバイトでした。それが本当に楽しくて、こんなふうにみんなが楽しく働ける職場を作っていきたいと漠然と考えるように。どうすればその理想が実現するだろうと考え、料理と経営を学んでみようと思いました。18歳のときです。私の家系は父親を含め経営者が多く、さまざまな業界で独立して活躍している大人が身近にいたことも大きく影響していると思います。

服部栄養専門学校を選んだ理由は?

高校で進路を決める段階でフードビジネスに魅力を感じた私は、大学ではなく調理師専門学校の方が目標実現に向けて最適だと考えを固めていきました。父親に話すと最初は反対されましたが、「飲食業界は大変だ。もしやるのであれば職人的な専門性とビジネススキルの両方を身につけるべき。自分で作れなかったら人はついてこない。料理とビジネスを両立できる人になるためなら、専門学校進学を認めよう」と、最終的に背中を押してくれました。

さまざまな調理専門学校がある中、服部を選んだ理由は2つあります。1つは「誰もが知っている」業界内での知名度。社会に出たときに、どこで学んだかというのは信用にもつながるだろうと。2つめは設備とカリキュラムの充実度です。いろんな学校を見学して検討しましたが、幅広い調理の知識と経営の両方を網羅したカリキュラムの調理ハイテクニカル経営学科はまさに自分が求めていたものでした。

専門学校を選んで良かったと思うことは?

先生、友人、授業、すべてに感謝しています。先生方には研修先や就職先を選ぶ上でいつも親身に相談に乗ってくださり、希望通りの道へと導いてくださいました。独立開業した今では優秀な学生をたびたび紹介してもらっていますし、昔も今もお世話になりっぱなしですね(笑)

料理が好き、飲食が好きという近い価値観の友人たちとの出会いがあったのも服部に通ったおかげですし、そのつながりは卒業後もずっと続いています。

授業は調理実習全般が楽しかったですね。毎回面白くて真剣に取り組んでいたので、社会人になってから西洋料理の現場に出たときにスムーズに取り組むことができました。

また、西洋料理以外の分野も幅広く経験できたことも大変有意義でした。当社は西洋料理ですが、中華や和食など多種多様な店舗のプロデュースを依頼されることも多く、学生時代に基本を勉強していて良かったと思うことがよくあります。

のちのち重要だと痛感したのは「食品衛生」の授業です。当時は退屈だと思っていましたが、安全なものをお客様に提供するという飲食業の基本中の基本。とても大切なことを教わっていたと思います。
調理や食に関する要点がわかりやすくまとまっている服部の教科書は今でもたまに読み返し、現在の仕事に生かしています。

就職はどのような考えで決めましたか?

フードビジネスで25歳には独立したいと考えていたので、それまでの期間は社会勉強として多く学べるところを探していました。最初に就職したのは星野リゾートです。会社の規模や給料より、「食もビジネスも両方経験できる」ということが、就職先選びの自分なりの軸でした。

この会社で、経営面で先進的な考え方の星野社長、調理の師として尊敬する浜田シェフと出会い、想像以上の有意義な経験を積むことができました。入社当初は軽井沢のホテルブレストンコートでフレンチを担当、2年目にスーシェフ、3年目には本社勤務で現場を離れました。

星野リゾートからスマイルズ(スープストックトーキョー)へ転職した理由は?

入社から3年目に役員直下のグループ全体をとりまとめる部署へ配属。星野リゾートが勢いを増し世間から注目されるようになった時期で、全国を走り回り数字を管理し、経営の動向を目の当たりにしました。一方、若くして統括という立場となったことでうまくいかない壁にもぶち当たりました。現場経験が浅く若い自分が現場のベテランシェフに指示したところで、聞いてもらえないのです。「もう一度現場力を身につけたい」そう考え、転職を考え始めました。次はまったく違うスタンスの会社で武者修行してみたい。そこでも成果を上げられたら実力も身につくし自信をもって独立できるだろうと見込んで、転職を決めました。

星野リゾートは非日常の高級感を提供する会社です。次は、日常を豊かにする飲食事業「スープストックトーキョー」を展開するスマイルズで挑戦することに。魅力的な人、事業に溢れたスマイルズは、25歳で独立するために十分な経験と自信を与えてくれました。

創業6年目のPLEIN。将来の目標は?

現在、東京都港区・渋谷区で6店舗のレストラン・デリカテッセン専門店、オンラインショップ、プロデュース事業を行っていますが、将来店舗数や売上高といった目標は特にありません。ただ、ずっと食の仕事に携わっていたいと思っています。関わる人みんなが豊かになる飲食店作りを続けていきたいと。そのため、目標を決めてそれに固執するのではなく、時代に合わせて柔軟に変化し、人々の役に立つことをしていきたいですね。役に立っていれば、その仕事は続いていくと思うからです。

外食産業は大変、飲食業はきつい、そんなイメージがあると思います。会社の評判も、今はネットで検索すればすぐに情報が出てくるので、労働の大変さは隠せるものではなくなっています。でも、料理が好き、お客さんとの会話が楽しいという人にとっては、こんなに楽で楽しい業界はないと思うんですよね。毎日学園祭みたいなもので(笑)。なおかつ、労働時間を短縮し週2日の休みを徹底するなど労働環境を整えれば、スタッフもゲストも生産者も、みんながハッピーになれると思うのです。それが定着すれば、外食産業はいずれ憧れの仕事になっていくでしょう。業界のイメージを変える力になっていけたらと思っています。

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