卒業生の声 青田 裕美子さん

Graduate's Voice

食の世界で人の役に立つ仕事をしたい。
金融業界から飲食業界への挑戦。

株式会社スープストックトーキョー
価値創造本部 商品部 副部長
青田 裕美子さん

調理師科夜間部卒業

青田 裕美子さん

大学卒業後、金融業界に就職。ずっと叶えたかった「飲食業界で働くこと」を目指し、服部学園の夜間部へ入学。卒業後、服部栄養専門学校で助手として1年間勤務後、株式会社スープストックトーキョーに中途採用枠にて入社。店長、エリアマネージャーを経て、念願の「商品部」へ。現在は商品部の副部長として商品開発やスタッフの教育を担当。

社会人から専門学校へ。その理由は?

北海道から大学進学のため上京、卒業後は金融業界のベンチャーキャピタル企業に就職しました。実は、就職を検討しているときから飲食業界に興味があったのです。しかし進学させてくれた親にそのことを言い出せなくて…。とりあえず手堅いイメージの業界へ進みました(笑)。仕事は経営企画や広報、飲食とはまったく縁のない仕事でした。

しかし、この先ずっと30代、40代と仕事をし続けていく事を考えたとき、このままで本当に満足できるのかと。自分が本当にやりたかったことをやらなければ後悔するんじゃないかと思ったんですよね。社会人としてしっかり何年間か勤めたら挑戦してみようと心に決めていました。

しかし金融出身の未経験者を、飲食業界がそう簡単には受け入れてくれるはずもありません。面接に何度かトライしてみたものの現実は厳しく、悔しい思いをしました。そこで自信と実力をつけ、飲食業界への本気度を示すため、基本を一から学べ、調理師の免許が取得できる夜間の専門学校に通うことを決意しました。

昼間のお仕事と夜間部通学の両立は大変でしたか?

そうですね、正直大変でした。会社が終わるのが大体6時ごろなのですが、終わったら学校へ直行。会社が早く終わったら早めに学校へ行って包丁の研ぎ方などを教えてもらいました。仕事が終わらず、残業となった日は遅れてでも頑張って学校へ行きました。

実習で教わったことができなければ試験には絶対に通らないので、学校帰りにたくさんの大根を買い込んで家で夜中まで桂剥きの練習をしました。また卵を大量に買ってオムレツの練習もしましたね(笑)。座学の勉強の方も、単語帳を作って会社の休み時間に覚えていました。

忙しくて大変でしたが本当に充実していて、まさに青春といった毎日でした。先生方の熱心な指導のおかげで、1年半という短い期間で目的を達成。本当に感謝しています。

授業で印象に残っていることはどんなことですか?

最初に包丁の正しい持ち方、使い方を教えていただいたことが衝撃的でした。たまねぎのみじん切りも、包丁の使い方ひとつでこんなに簡単にきれいにできる!自分には絶対に無理と思うような難しそうな技も、教わることをその通りにやったら自分にもできた!そんな感動の連続でした。

実習で一番おいしかった「トマトのカッペリーニ」。鮎の塩焼きの串打ちや正しい食べ方、製パンの授業で習ったパンの種類や名前、製菓の授業での絞りの練習。どの授業もすべてが驚きと感動で、今でも鮮明に覚えています!

服部栄養専門学校の先生方の教え方は、調理のやり方だけでなく、こういう仕組みでこうなるんだよ、と理論的に解説してくださるんですよね。だからがんばって覚えるのではなく、ストンと理解できる。理論と実践を組み合わせたすごい授業だったなと、教える立場になった今、つくづく思います。

卒業後、服部栄養専門学校で勤務されたとのことですが、どのような1年間でしたか?

卒業後すぐに飲食業界へ転職、と考えていたのですが、ある先生に「この先ずっと飲食業界でやっていくつもりなら、ここで少し働いてみた方が将来ためになる」と助言いただき、1年間服部栄養専門学校で助手として働かせていただきました。

この1年で得たものは本当に大きかったです。飲食店を運営しようと思ったら、料理の知識だけでなく、環境整備や段取りがとても大事です。きれいに整っていること、食材の調達、確実に時間内に出来あがること、そのための予測や調整。就職して実際に現場でお客様をお迎えする立場になって、その頃の経験が本当に役に立っています。

スープストックトーキョーさんへの就職の経緯をお聞かせください。

服部栄養専門学校で助手を務めたあと、転職サイトを通してこの会社を見つけました。
就職先を探していた2000年頃は、おしゃれな飲食店が続々登場し、飲食業界が華やかに変化しつつある時代でした。その中で自分はどんなことをしたいんだろうと考えたとき、派手さはなくても他にはないもの、世の中に役に立つものを提供していきたいと思いました。

スープはちゃんと作ろうと思ったらものすごく時間と手間がかかります。それが手軽に注文できてすぐに出てくる。スープストックトーキョーは、当時設立3年目の小さな会社でしたが、自分にとっては理想的な会社だと思い、商品開発を希望して応募しました。で、結果は不採用だったんです(笑)。しかしその後しばらくして、営業部で店長候補としてなら採用しますよと連絡がきまして入社となりました。

仕事の楽しさ、難しさ、やりがいはどんなことですか?

店長、エリアマネージャーを経て、アルバイト採用、店舗立ち上げなどに長年携わり、商品部へ。店舗業務での入社でしたが、最終的に商品開発に携わることになりました。現在は商品部の副部長として商品開発やスタッフの教育に携わっています。
会社もこの十数年で大きく成長し、店頭で販売するスープの他に、法人販売や自宅で食べる冷凍スープなど、さまざまなスタイルで提供するようになりました。

スープストックトーキョーではスープの素(ベース)を複数の工場に委託して製造してもらっています。商品を生み出すために、法人(工場)と個人(スタッフ)の両方に関わっているのが私たち商品部。ベースをおいしく作ってお店でおいしく調理してもらい、物流やコストも調整して世の中にお届けする役割です。おいしいだけでなく、その商品への思いや背景などの魅力も人々にわかってもらえるように、日々取り組んでいます。

新しいメニューを開発するためにテストキッチンで仕事することもありますが、原材料の産地、工場、店舗、すべてがよりよい商品を世の中に届けるために大切です。おいしいことはもちろん、商品を通してお客様の生活の価値を上げていくことが私たちの役割であり、やりがいだと思っています。

服部栄養専門学校での学びでいかされていることは?

実技も知識も段取りも、すべてが今の仕事にいきています。夜間部1年半の学び、卒業後の助手としての1年間。今の私がいるのは、服部栄養専門学校のおかげです。当時の教材は今でも手元にあり、日常的に使っていますよ(笑)。

私自身シェフにはなりませんでしたが、シェフが作ったおいしいものを世の中に出していく行程が好きです。それで多くの人が喜んでくれるなら、それに勝る幸せはありません。飲食で人の役に立つ仕事がしてみたいという夢が叶った今、思い切って服部栄養専門学校に通って本当に良かったと思っています。

関連情報

Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)

全国に60以上の店舗を展開する食べるスープの専門店。お店の味をご自宅て楽しめるオンラインショップも展開。

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