卒業生の声 杉浦 孝太郎さん

Graduate's Voice

営業マンから料理人へ、そして独立開業。人生を変えた服部での学び。

GRILL & BISTRO K
オーナーシェフ
杉浦 孝太郎さん

調理師本科(昼1年)/2019年卒業

杉浦 孝太郎さん

1993年、東京生まれ。社会人を経て服部栄養専門学校 調理師本科(昼1年)に入学。卒業後は実家の鶏肉専門問屋勤務を経て東京・自由が丘の「Restaurant Forest」にて研鑽を積む。2024年10月四ツ谷駅ほど近くに「GRILL & BISTRO K」をオープン。ワインソムリエの資格も持ち、店には多彩なワインを取り揃えている。

Q.料理を仕事にしたいと思ったのはいつごろ、どのようなきっかけでしたか?

母方の実家が新橋の老舗鶏肉専門問屋です。毎年クリスマスシーズンは予約のローストチキンを大量に焼く作業を手伝っていたので、幼い頃から食の仕事は馴染みあるものでした。しかし料理に興味はなく、私自身が作れるのは目玉焼きくらい(笑)。かといって特になりたいものもないまま大学進学し、食品商社へ就職し、営業職につきました。
転機が訪れたのは就職から2年後。鶏肉問屋を営む祖父が高齢になり、事業継続のため「手伝わないか」と打診されたのが食の道へのきっかけです。どうせやるなら自分自身も食に関する知識を総合的に学んでから家業に貢献したいと考え、社会人でも学べる専門学校への入学を決意しました。

Q.服部栄養専門学校を選んだ理由は何ですか?

当時まったく食に関する知識がなかったので、「広く総合的に学べる」ことが最大の学校選びのポイントでした。和・洋・中・製菓をはじめ、栄養や衛生、経営ノウハウなど、さまざまな分野を幅広く習得できること、卒業と同時に調理師資格も取得できる点、出店や経営などビジネス知識、アクセスの良さなど、すべての条件を短期間で満たしてくれる服部学園がベストの選択でした。

Q.服部在学当時、最も印象的に残っていることや役に立っている教えがあれば、教えてください。

包丁の握り方も知らないところからのスタートでしたが、とにかく楽しい1年でした!一度社会人として働いたからこそ、先生方が一つひとつ教えてくれることが身に沁みました。和洋中問わずさまざまな技術や知識を吸収していく中で、私は特に西洋料理に魅力を感じました。もともと専攻する予定だった「出店計画マスター」に加え「西洋料理マスター」も受講し、第一線で活躍する著名なシェフの方から調理技術を直接教えていただけたのは貴重な体験でした。
クラスメイトの年齢や経歴がバラバラなのも刺激的でしたね。チームでの実習授業が上手く回るようになってくるとやりがいも感じました。
ヨーロッパでの研修旅行も印象深い思い出です。服部学園が持つコネクションのおかげで、仲間と共に普段は予約を取ることが難しい三ツ星レストランの味を堪能。調理方法まで見せていただきました。
苦労したのは「大根の桂剥き試験」です。何度も試験に落ちましたが、「この作業に対してお金をもらえるか?」と何度も自分に問いかけ、自宅でも練習を重ねて合格できたときは嬉しかったです。
振り返ってみると食に関する学びだけでなく、もう一度青春を味わえたかけがえのない日々でした。

Q.独立開業までの経緯を教えてください。

服部で学んでいるうちに料理の面白さにハマり、将来お店を持とうと考えるようになっていました。そのためには修行が必要と考え、卒業後は実家で働きながら都内の洋食店を中心に修業先を探し歩きました。30店舗ほど巡り、その中で最も心惹かれたのが、自由が丘のフレンチレストラン「レストラン フォレスト」。ここの丸一日煮込んだブイヨンで作ったカリフラワーのポタージュが絶品で、これを自分でも作れるようになりたいと心底思ったのです。心を決めて再訪し、その場で草場健治シェフに弟子入りを志願しました。
草場シェフはすでに第一線を退き悠々自適に経営していたため、じっくり目をかけて育ててくださいました。また、修行のかたわらフリーの出張料理人としても月に1回ほど活動し、店で教わったことを試してお客様の反応を見て研究と自己研鑽を重ねていました。
3年目頃から徐々に料理を任せてもらうようになり、4年が経つころにはある程度自分の中に理論が蓄えられた感覚になってきました。この頃から独立を視野に入れ、シェフにも相談しながら準備を始めました。もちろん不安はありましたが、今やっても後でやってもどうせ不安なのに変わりないなら、やり直しの効く年齢のうちに勝負しよう、と。迷いはありませんでした。

オープンした「Grill&Bistro K」は、鶏肉を主軸にしたフレンチビストロです。店で使う新鮮な地鶏はもちろん実家からの仕入れ。家業、営業経験、服部での学び、自由が丘での修行、すべてが今に生きており、無駄な経験はひとつもありませんでした。

Q.社会人入学で飲食業界を目指す方へアドバイスをお願いします。

一度社会に出ると、丁寧に教えてもらえることの有り難みを実感します。服部は料理のプロを目指す方はもちろん、食について一から学びたい方にも十分すぎる知識を与えてくれます。食の世界は奥深く、手法もさまざま。私の場合、幅広いジャンルを総合的に学べたおかげで、自分の興味や本当にやりたいことに気づくことができ、今につながる道を定めることができました。さまざまな年齢層、経歴の仲間たちとともに将来に向けて成長した日々を振り返り、服部を選んで正解だったと心から思います。

GRILL & BISTRO K

鶏と鴨の極上グリルとステーキを味わえる、四ツ谷の隠れ家ビストロ。

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